皆様おばんです。中秋の名月、いかがお過ごしでしょうか? すっかりお待たせしてしまいましたが今夜は、大蔵村視察のおはなし(報告)の続きをさせて頂きます。

1. 「肘折温泉 朝市」

肘折温泉で迎える朝、次第に明るくなる外とともに、窓の下のメインストリートがだんだん賑やかになってきました。窓を開けて見下ろすと、名物の朝市が始まっていました。

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肘折温泉名物の朝市! 4~9月は6時前~7時半ごろまで。11月くらいまで毎朝出ています。

朝市! この時期は朝6時前には既にメインストリートにずらりと山菜から野菜、おやつとオール・ローカル・プロダクツ(オール地元産)が並べられ、地元のおばちゃんたちが「これ、持っていき、これも持っていき~」と連呼して旅人を誘惑します(笑)。ついつい財布のヒモが緩んでしまうのでご注意を(笑)!もっとも浴衣姿のお客さんも、見ていると大変シッカリしていて負けじと「コレまとめ買いすっからマケて~」と、大健闘。丁々発止のやりとりを見ているだけでもとても楽しい朝の風景です。ホントに見てるだけ?いやいや、やっぱり欲しくなる(笑)。枝付きの茶豆、化学調味料を使わない漬け物、山形名物しそ巻きまき(胡桃ミソを紫蘇で包んだもの)、笹巻き(同じく言わずとしれた山形名物)・・、ほしいものはあれよあれよと増えてゆき、ついには旅館へ財布を取りに行ってしまう始末でした。おばちゃんたちはみんな「お金(がね)はあどでいいがら」と先に買ったものを渡してくれようとします。何百年にもかけての当時客と村人が築き上げた信頼関係のタマモノなのでしょう。

とにかく美味・新鮮な食材がお手ごろですし、多くの旅館には長期湯治客のために台所があり調理できますので、買う方も多く、大変賑やかで活気に満ち満ちていました。

IMAG5434 データ/大蔵村の人口:約3,700人、村内・肘折温泉の人口:約300人

 

2「地蔵倉を尋ねて」

さてさて、旅館をチェックアウトし、大蔵村役場の小林さん・左と鳴海さんと合流。車で村の外へ、地蔵倉を目指します(国道458号線沿いですが、只今、寒河江までの道路工事のため、村から徒歩で入ります)。

 

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深い原生林の中をえっちらおっちら登ってゆきます。天候によってはところどころぬかるんでいるところもありますので、用意周到な二人はソウルのしっかりしている長靴で意気揚々と登ってゆき、一方私はスニーカーで一生懸命ついてゆきます。

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途中、有名な子造り地蔵もあります。リンガ(男根)。

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車道から15分程度の登りで着きます。村からは1時間強でしょうか。タクツァン僧院(ブータン)よりもずーっとカンタンに登れますが、風景がどことなくシンクロしています。

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これが地蔵倉。この風景はナクタラブ僧院(エチオピア)とシンクロして、不意に懐かしい気持ちになったり、あちこちでデジャ・ヴ(既視感)に包まれます。

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僧院からの谷の風景。谷はクレーター状になっており、1万年前の火山の噴火でできたカルデラの深い谷の底に肘折温泉はあり、ここからは既に見えなくなっています。

冬は積雪4メートルくらいのところですがそういうところは大概除雪がしっかりしており、ここも湯治・観光客がちゃーんと訪れることの出来るように道路を管理しています。新庄からここまでの道のりは冬であっても安心して来られます(安全運転を!)。

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眼下を流れる川は俗に“祓い川”といいます。古くは肘折温泉が奥参り「出羽三山」の表参道入口がここで、この川が俗世間、そして川を越えた向こうが別世界(聖域)と境界線の役割を果たしていました。

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地蔵倉は縁結びで知られています。洞穴の天井あちこちからは円(縁)がぶら下げられています。

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例の寒河江に向かう酷道、いや国道458号線。日本で唯一、未舗装区間のある国道はここ肘折温泉~寒河江間にあります(現在、秋の紅葉シーズンに合わせて道路を工事しているところです。)。

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下りは、登り以上に気をつけて、時間をかけて・・。

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あ、足許にクワガタを発見! 山歩きには時折サプライズがあります♪ が、クマもいます。

IMAG5442 国道の脇に地蔵倉の入口

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地蔵倉の案内。ずい分とエラそうな案内である(笑)。ついご利益を期待してしまいます

地蔵倉はちょっとした村からの運動(温泉入浴と一緒に行えばエクササイズ効果抜群♪)、出羽三山(主に月山)の東側からの抜群の眺望をご覧になりたい方、縁結び・子造り祈願の方、プチ・タクツァン僧院、プチ・ナクタラブ僧院体験をしていたい方にはオススメです。

(次回で完結します、させます!)

※ 朝市は視察を忘れ(!)、すっかり買い物に夢中になっていたのであまり良い写真が撮れず、村役場の鳴海さんにお借りしました~。Special thanks to Narumi-san!