(本記事内の土門拳並びに土門拳記念館に関する写真は土門拳記念館事務局さまより使用許可を頂戴し、掲載しております#20160418 作品は「誰がために心の窓を開きたる」 )
ゴールデンウィークがスタート致しました、いかがお過ごしですか?ワカダンナの矢野です。春が来て酒田にも、若葉旅館にもより多くの観光客の方が訪れる季節となりました。スタートは若干肌寒いものとなりましたが、皆様の特別なシーズンがポカポカと春らしい、より満たされたものとなりますよう、お祈り申し上げます。
酒田へ観光で初めて訪れる方へマスト・スポットのひとつとしてオススメしたいのはズバリ「土門拳記念館」です。酒田出身、戦後の日本の素顔を撮り続け、或いは「古寺巡礼」でレンズを通して仏さまとの対話を試みた氏の傑作といわれる作品の数々が酒田・飯森山、閑静な杜の湖畔の記念館で静かに展示されています・・(開館詳細は一番最後に)。
(特別展のポスター。ローマのテレヴェ川沿いのアラ・パキスとの同時開催!)
また特別展として4月より7月10日まで、イタリアのアラ・パキス(アウグストゥス帝平和の祭壇フォーラム。イタリア語ではアラ・パチス)とほぼ同時開催で「Domon Ken Il Maestro del Realismo Giapponese - 土門拳 日本リアリズムの巨匠」展も好評開催しております。これは今年が日本とイタリアが修好通商条約締結150年目の節目にあたり、その記念行事の一環として開催に至ったそうです。(ローマでは開催期間が若干異なり、上記会場にて5月25日~9月18日まで開催中です。)
記念館の建物はMOMA(ニューヨーク近代美術館)や豊田氏美術館などの設計で知られる世界的な建築家、谷口吉生氏(1937~)が1983年に設計しました。そしてその中庭とその中の「土門さん」というオブジェはあのイサム=ノグチ氏(1904~1988)がデザインしており、こういった観点からも訪れる価値の高い酒田のスポットです。
とにかく敷地も内部も静かなところで、沈思黙考にはとても良い場所で、私も考え事をしたいとき(仕事からの現実逃避のこと)、しばし足を運ぶことがあります。土門拳の作品には戦後の日本の「貧しさ」の中の子供たちであったり、鄙びた古寺で果ててゆく「古びた」立像であったり、普段私たちがややもすると目を逸らそうとしてしまうネガティブな要素が軸になっているのですが、そのような要素を抱えながらも、常に万物の生命力といったものが映し出されています。氏の作品を観ることは、単なる訪問でも来訪でもなく、やはり「巡礼」なのだと思います。訪れるときはあまり意識はしないのですが、記念館をあとにするときに感じるあの魂のパーゲイション感はなかなか味わえるものではありません。
どうか酒田へお越しの際にはお見逃しなく!
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「土門拳記念館(11月までは無休 /9時~17時開館 /一般入場料430円)」 公式ホームページ: http://www.domonken-kinenkan.jp/
住所: 〒998-0055 山形県酒田市飯森山二丁目13番地 /TEL: 0234-31-0028
アクセス。お車でお越しの方は上記住所、または電話番号をGPSに入れてください。若葉旅館より約3.5キロ、所要約10分です。
天気の良い日は若葉旅館の無料貸し出し自転車でいらっしゃる方もいますが、手前の全長約800mの白鳥大橋で強風で挫折して戻られる方もいらっしゃいます。そういう方にはタクシーで約1000円、市内循環のるんるんバスかんぽ線(1日4便所要20~30分、100円)などをおすすめ致します。