(若葉旅館より徒歩3分 「山居倉庫とこけし」 Photed by Takashi Homma & Kokeshi made by Hisao Homma)
オーストラリア育ちの若い女優、忽那(くつな)汐里さん、お笑いの川村エミコさん(たんぽぽ)と芸能の世界には意外と(?)“こけし”マニアが多いのですが、今回は当館を訪れたミュージシャンでジャズ・ベーシストとしてご活躍されるこけし研究家の本間和(たかし)さんのおはなしです。
先日、旅館のロビーで熱心に“こけし”ひとつひとつの表情を覗き込む若い男性がいました。まるでこけしに話しかけるように、それに応えるように柔和な表情で佇むこけしの姿がりました。
(Mr.Takashi Homma with contrabass.)
彼が訪問前に何度かメールでやり取りをしていた本間さんであるということを知った時、今ひとつピンときませんでした。こけしについて熱心に尋ねる彼の書く文章は老成したずっと年上、叡智に満ちたものだったからです。そして目の前にはおそらく不惑前であろう人懐こい表情の本間さん・・。これらがなかなかシンクロしませんでした。
当館には先々代~先代が収集してきた700体のこけしのコレクションがあり、自由に見学することができます。みちのくの民芸品のひとつでもあるこけしは長らくは閑農期の農家の内職のひとつであり、子供たちの玩具であったり、また諸説はあるものの、かつてみちのくが貧しかった時代に不運にも夭逝していった幼き子供たちの忘れ形見などとして、かつては日常の風景の一部として存在してきたのでしょう。
当館の先々代が消え往く酒田のこけしの保存、再生に努めてゆこうと地元のこけし職人・本間義勝氏(偶然!?にも今回のお客様と同じ姓です)を積極的に庇護しはじめたのが1997年のこと。職人は自らの仕事の傍ら少しづつ、しかしそれでも手を止めることなく製作を続けてきました。今日ではおそらく酒田でこけしを造る唯一の職人のはずです。
細々と、けれども決して絶えることのなかったこけし製作。その思いがひとりの青年に届いたのか、本間和さんは関東から夜行バスに乗って酒田へとやってきました。そして当館にご逗留しました。
先述のとおり、聞けば本間さんは普段はジャズ・ベーシストとしての顔を持つとのこと。コントラバス奏者としてご活躍されています。
ジャズ・ベーシスト & KOKESHI (別にローマ字にすることはないのですが)・・なんの因果か、なんの相関関係か、こけしのいったいなにがベーシストの彼の心の琴線に触れたのでしょうか。
こけしとあまりにも身近にいすぎる私たち旅館の従業員には還ってその魅力に気づかないものです。けれども皆様が当館を訪れ、こけしと対顔した時、私達よりずっと多くのことが見えるのかもしれません・・。
追伸:
☆ ↓↓↓ この度の酒田訪問をこけしという観点からブログ記事になさっています。是非ご覧下さい ↓↓
本間和さんブログ「 阿房こけし洞 ~ 伝統こけしへの眼差し~」
http://ahouan.blog.fc2.com/blog-entry-6.html
☆ 本間義勝工人のこけしは若葉旅館でお買い求めいただけます。
大(高さ30cm)¥5.400.-/ 中(高さ25cm)¥4320.-/ 小(高さ18cm)¥3240.- です(いずれも税込み)
(RGD Photoes posted in this article, all rights reserved with Mr.Takashi Homma and his agent.)
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